ピンチは自分らしく生きるチャンスだと気づかせてくれた本「旅屋 おかえり@原田ハマ」【書評・感想】

ヒーローにはピンチが似合う。ピンチを乗り越える姿に感動を覚えるし、さすがヒーローと尊敬してしまう。

私もヒーローみたいにかっこよくピンチを切り抜けたいと憧れたりもするが、心の中ではピンチを心底恐れている。ピンチになると心がそわそわして、落ち着かなくなる。

なぜなら、私は追い詰められ場面で自分の力を発揮する自信がない。。

学生時代のテニスの試合ではここぞという試合ではプレッシャーに押しつぶされ、負けてしまいヒーローになり損ねた。

過去の経験からか、私はピンチを察したら、全力で避けてきた。

ピンチから逃げてばかりの私だったが、「旅屋 おかえり」を読んでからピンチは怖いもんではないと思えるようになった。

「旅屋 おかえり」のあらすじ

「旅屋 おかえり」は、旅好きの売れない元アイドルが主人公の物語。

主人公である「丘えりか」は、アイドルとして成功できず、唯一出演していた番組も自分のミスで打ち切りとなってしまう。

仕事がなくなった主人公は、ふとした縁から旅の代行業を始める。

旅の代行業とは様々な理由で旅ができない人の代わりに旅をしてくるというもの。

主人公の人柄もあって、旅の代行業は軌道にのる。

旅屋として軌道に乗った時、旅代行業でもピンチを迎える。

「旅屋 おかえり」から得られた気づき

「旅屋 おかえり」を読んで、私は2つの思い込みが外れた。

それは

  • ヒーローでなくても、ピンチを乗り越えられる。
  • ピンチを乗り越えると自分の大切なものに気づき、自分らしい人生に近づく。

である。

主人公の「丘えりか」は、タレントとしても鳴かず飛ばずな程度の普通の人である。

ヒーローでもない普通の「丘えりか」がピンチを乗り越えるたびに、私もピンチから乗り越えられるんだという勇気をもらった。

ピンチを乗り越えるためのコツは1つだけ。

それは逃げないこと。

逃げずにピンチを乗り越えると、「丘えりか」は自分にとって大切なことに気づいていく。

例えば、旅代行業といて活動をしている時に

「アイドルとして売れなかったのは、アイドルよりも好きなことがあったから。それは旅。」

と気づく。

彼女にとって、旅は何よりも大切なものなのだ。

一般的には、旅代行業よりもアイドルとして成功する方が幸せに見える。

しかし、丘えりかにとっては

小説の初めでは何のために生きているのかよくわかっていなかったのに、最後には自分の使命を理解していた。

つまり、ピンチを乗り越えた先には、自分の大切なものに気づくというギフトがあるのだ。

「旅屋 おかえり」のまとめ

この本を手に取ったきっかけは、裏表紙に書いてある「あなたの旅、代行します!」という言葉に惹かれたから。

私は旅を仕事にして人生を送れたら最高だなと密かに思っている。

小説を通じて、私の夢を疑似体感できたらといいなという淡い期待で読んだ。

しかし、小説を読み終えて、

「ピンチを乗り越えるたびに、自分らしくなれる。」

という発見があった。

ピンチは私を苦しめるものではく、私を私らしくしれくれるものなのだ。

私は小説を読むことで、人生の教訓を得られることが多い。

「旅屋 おかえり」はピンチから逃げている私を勇気付けてくれる最高の小説であった。

勇気をくれるオススメの小説

横道世之介(吉田修一)【書評・感想】肩の力を抜いて生きても大丈夫だと教えてくれる1冊