私は40歳になり「人生をもっと充実させたい」と思うようになった。
こんな心境で「あきない世傳 金と銀」を読んだためか
- 主人公の幸ほど真剣にひたむきに働いているのか?
- 結果が出ないことを他人や環境のせいにしてないか?
- 最後の最後まで考え抜いたのか?
- やれることはやったと胸を張れるのか?
という言葉が心の中から湧き上がってきた。
充実感が漂う幸と何かが足りたいと悩む私の差は、日々の行動ではないか?
そんなことを気付かされた「あきない世傳 金と銀 本流篇」を紹介する。
目次
高田郁について
高田郁の代表作といえば
『みをつくし料理帖(全10巻)』
『銀二貫』
など、女性が個性を発揮して困難を乗り越えていく姿を描いた小説が多い。
主人公と自分を重ねながら読むことで、自分の人生の羅針盤となる。


「あきない世傳 金と銀 本流篇@高田郁」の6巻のポイント
主人公の幸は、4代目、5代目、6代目の妻として五鈴屋を支えるバリバリの女性経営者。
特に6代目に嫁いでからは、持ち前の経営手腕を発揮して五鈴屋の経営を拡大した。
6冊目の「本流篇」は念願の江戸へ進出する話。とうとう幸は大勝負に出たのである。
江戸での商いを成功させるために幸はこれまで以上に努力する。江戸の商いの様子を観察し、「お客は何を望んでるのか?」「お店はどんな工夫をしてるのか?」を学んでいく。
学んだことはひと工夫加え、新しいアイデアへと進化させる。それは五鈴屋らしさを追求するためである。
もちろん新しいアイデアはすぐに出てくることはない。
何度も何度も試行錯誤され考え抜かれる。
考え抜かれたアイデアも少しでも納得がいかないと、「そうね、もっとよく考えてみます 」と言い、安易に結論を出さない。
とにかく考えに考え抜くのだ。
このように考え尽くして出てきたアイデアは、江戸でも受け入られていく。
五鈴屋らしいやり方で江戸の人たちに受け入れられるために、順調なスタートを切るには考えに考え抜くしかないのだ。
自分の人生と比較すると
これまで私はどんなこともほどほどでいいやと思い行動してきた。ほどほどの考えと行動から得られる成果はそこそこ。仕事のやりがいもそこそこ。
そこそこが積み重なった私の人生はもちろんそこそこだ。
だからこそ、本を読んでいる時に私の心は「そこそこの人生から脱出したいのなら本気になれよ」、「幸くらい、考えに考え抜かんといかんよ」と教えてくれたのだろう。
本気で取り組むと今よりも満たされるし、豊かになる。頭ではわかってはいても、ついつい楽なほうに流れてしまう。私はとても弱い人間なのだ。
40歳になった私はそこそこの人生から脱出するために
・幸みたいに徹底的に考えた?
・幸みたいに自分なりの工夫を付け加えた?
と自分に問いかけながら日々を生きる。そんな勇気をこの本が私にくれた。
「あきない世傳 金と銀 本流篇@高田郁」のまとめ
幸はすごいやつだ。バリバリの女性経営者だから当たり前か。
ただ、幸は恵まれた環境にいたわけではない。
今できることをコツコツと積み上げ、周囲から認められて経営者の地位までやってきた。
幸のすごいところは続けられることだ。
私も幸みたいに考え抜き、充実した人生を手に入れる。
もし私は楽な方に逃げそうになった時は、この本を読んで叱咤激励してもらおう。
自分の人生を充実させたいけど、楽な方に逃げてしまう人に手にとってほしい本である。