汐見薫さんが書かれた「リストラ日和」を読みました。
リストラは他人事ではなくなりました。
どんなに有名な企業に勤めていても、定年まで無事に勤めることは難しくなっています。
この本は、エリートサラリーマンが51歳になって子会社へ左遷となった後の奮闘が描かれています。
左遷によって起こる、自分との葛藤、妻との軋轢などが描かれています。
働き方、家族との向き合い方について考えさせられる本です。
どのように働いたら幸せになれるのかを考えるきっかけになる本ですよ。
小説に出てくるセリフから私が感じたことを紹介します。
目次
リストラ日和 汐見薫〜小説から仕事人生について振り返ってみる。今の働き方で幸せですか?〜
いいも悪いも私にはどうにもできないよ。決まった人事は受け入れるしかない
このセリフは、左遷の人事通知をみた同僚が主人公にかけた言葉です。
自分や家族を犠牲にして、成果を上げてきたのに、いきなり左遷を通知されます。
なぜ自分がという思いを抱えながらも、サラリーマンとしては受け入れざるをえない人事異動についてよく表現されています。
出世のためにいろんなものを犠牲にしてきたのに、会社は自分の苦労ほど報いてくれなかったいい例です。
サラリーマンとして働いていると、人事異動ほど自分の願いが叶わないものはありません。
不本意な人事異動が多いほど、不満を抱えています。
さらに、日頃の働き方まで会社や上司のいいなりでは、生きている心地はしませんよね。
いつどんな人事異動が発せられるのかわかならないからこそ、今のどんな働き方をするのかは重要ですよね。
今回は自分でなくてよかった
送別会で出てくる各人の思いです。
左遷された人の送別会で送る人たちが思っていることです。
サラリーマンはいつも、他人より自分のことを心配します。
他人の苦労を大変だなと思いつつ、自分でなくてよかったと思っているのです。
結局は、みんな自分が大切なんです。
こんな時に思うことは、「自分しか自分を大切にできない」です。
自分を大切に働くことができているのかは常に振り返りたいことです。
あなたにしかできない仕事はありますか?
ハローワークで主人公が問われるセリフです。
主人公は「英語、融資、貸付業務、営業などができる」と答えます。
ハローワークの担当者は「英語をできる人はたくさんいます。ネイティブ水準ですか?」と聞き返されます。
企業の中で働いていると、会社の看板と地位がなければできないことが増えていきます。
看板と地位がなくなった時に何ができるのかが、本当の価値です。
会社の中で優秀でも、社会で必要とされるとは限らないのです。
どこでも雇われる価値は、自らが考えて、行動し続けないとできません。
わたしはサラリーマンとして活躍している時こそ、「自分にしかできない仕事はあるのか?」と問いかけ、自分の強みを磨くように心がけています。
あなたは私のことなんか守ってくれないもの
主人公が妻から言われる言葉です。
主人公は会社を辞めたあと、妻と仲睦まじく暮らしたいと思っていました。
けれど、妻からは嫌味しか言われず、気まずい時間を過ごします。
そう、介護、育児を全て任せて、家庭を顧みず働いていたのです。
妻のつもりに積もった不満はすぐには解消されません。
もし自分に時間ができた時に、家族と仲睦まじく暮らすことができるのかを考えさせられました。
ここ半年間は、残業をせずに、自分と家族の時間を意識してとっています。
しかし、12年間は家族との時間を犠牲にしながら働いてきました。
何かを犠牲にすると、いつかはツケがまわってきます。
ずっと一緒にいたいパートナーに、どれだけの時間を使っているのかを見直す言葉になりました。
担当者はお主だ。わしは関係ない
元上司が困った際に、元部下に行った言葉です。
人は自分が困ると弱いものになすりつけて、切り捨てようとします。
いつでも、どこでも、最終的には自分の身は自分で守る必要があります。
誰かのために、自分の本意でない仕事をすると後悔する可能性は高くなります。
以前書いた記事で後悔しない働き方について考えました。
どんな結果になっても自分が納得できる働き方が大切なんだなと気づきました。
まとめ
一流企業に勤めても、働き続けられる保証はありません。
私の勤めている会社でも希望退職があり、多くの人が去っていきました。
社外でもはたらくスキルのない人は、会社に残ってても不安を抱えたまま働いています。
これからは、働き方も家族との時間の使い方も変えていく必要があります。
会社人生を送ってきた人が直面した難局を疑似体験することで、自分の働き方や家族との関わりを見直すことができるのか本です。
仕事ばかりしてきた人にこそ読んで欲しい本ですね。
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